世界的に権威のある医学雑誌『ランセット』(The Lancet)に発表された研究によるとです。なんと2050年までに世界の肝臓がん患者がほぼ倍増してしまうらしいです。
今でさえ、肝臓がんの罹患数自体が6番目に多いらしいのですが、このままだと年間87万人から152万人にグングン増えると予測されています。
2024年度の肝臓がんによる死亡数は男性で5番目です。女性は10番目に多いんです。そして今後2050年までには137万人もの命ががんで奪われるって話です。
毎日酒を飲む側としてはゾッとしちゃいますよね。
目 次
がんによる死因部位別数
男性の死因トップ10(部位別)
- 肺がん
- 大腸がん
- 胃がん
- 膵臓がん
- 肝臓がん
- 前立腺がん
- 食道がん
- 膀胱がん
- 悪性リンパ腫
- 白血病
女性の死因トップ10(部位別)
- 大腸がん
- 肺がん
- 膵臓がん
- 乳がん
- 胃がん
- 卵巣がん
- 子宮がん
- 胆道がん
- 悪性リンパ腫
- 肝臓がん
肝臓がんの60%は予防できる
でも朗報があります。医学誌「ランセット」の肝がん委員会は、肝臓がんの5件に3件は予防できるとのことです。
ワクチン接種や生活習慣の改善によって、世界の肝細胞がんの約6割が予防できるという提言をまとめました。肝細胞がんは、肝がん全体の約9割を占める主要ながんです。このままでは、2050年には新規の肝がん発症者数が現在の約2倍にあたる約152万人に達すると予測されています。
主な原因は、やっぱりお酒、ウイルス性の肝炎、そして昔は脂肪肝って言われてた「代謝異常関連脂肪肝(MASLD)」です。どれもこれも、日頃の生活習慣がモロに出る感じですよね。
とりわけB型肝炎とC型肝炎のウイルスは、2050年になっても肝臓がんのダントツの主要因だって予測されてます。B型肝炎は生まれた時にワクチン打つのが一番なんですが、サハラ以南のアフリカとか貧しい国ではまだまだ接種率が低いとのことです。このままだと2015年から2030年でB型肝炎で1,700万人が亡くなるとのことです。
肝臓がんの原因に飲酒が増えている
そして、私みたいな「自宅のソファーでプハー!」っと毎日ビールを飲んでいる人間にとっては、ドキッとするデータが! なんと、アルコールの摂取が2050年までに肝臓がん全体の21%以上を引き起こすって推定されてるんです。2022年から2ポイント以上もググッと増えてるらしいです。
ランセット肝がん委員会とは
医学誌「ランセット」の肝がん同委員会は、肝がんの専門家で組織されています。国際的に著名な医学誌であるランセットは、様々な病気の対策を検討するために100以上の委員会を設置し、政策提言を行っています。これらの提言は、世界保健機関(WHO)の取り組みにも生かされています。
肝臓がんになりやすい人と主な原因
肝がんの主な原因は以下の6つです。
| 原因項目 | 詳細説明 | 備考 | % |
|---|---|---|---|
| 慢性ウイルス性肝炎 | B型およびC型肝炎ウイルスの持続感染が肝臓がんの主な原因。特にC型肝炎の影響が強い。 | 早期検査と治療が推奨される。ワクチンも重要。 | 約60% |
| 非アルコール性脂肪肝疾患 | 肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病が関連し、肝臓がんリスクを高める。 | 健康的な食事と運動により予防が可能。 | 約15% |
| アルコールの過剰摂取 | 長期間の大量飲酒により肝硬変が進行し、肝臓がんのリスクが高まる。 | 適切な飲酒量の管理が推奨される。 | 約10% |
| アフラトキシン | カビによる毒素であり、汚染された食品(穀物やナッツ類)から摂取される。 | 発展途上国では特に注意が必要。 | 約5% |
| 遺伝的要因 | 家族歴や遺伝的要因が影響する場合がある。 | 定期検査と早期発見が効果的。 | 約5% |
| その他の要因 | 肝臓への影響を及ぼす薬剤の長期使用や環境要因など。 | 詳細な研究が進行中。 | 約5% |
こうしてみると脂肪肝もヤバイですよね。酒を飲まなくても肝臓を傷めるってことは、肥満と糖尿病ってよくないってことですね。
肝臓がんの主な原因は、B型・C型肝炎ウイルスへの感染、アルコールの過剰摂取、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などです。これらのリスク因子を避け、たばこや飲酒を控えて適切な生活習慣を心がけることで、肝臓がんになるリスクを下げることができます。
肝臓がん予防と対策
HBVはワクチンで予防でき、HCVは抗ウイルス薬で根治が可能とされています。委員会は、低所得国におけるワクチン接種率の向上、抗ウイルス薬の投与、早期発見、内科・外科・放射線科など横断的な治療、そして医療の地域格差の解消が肝がん対策において重要だと述べています。
国立がん研究センターによると、日本における肝がんによる死亡者数は2002年をピークに減少傾向にあります。しかし、アルコールや脂肪肝が原因の肝がん患者数は増加の一途をたどっています。
委員会の提言では、政府主導による強力なアルコール消費の削減、脂肪肝のリスクに対する一般市民への啓発、生活習慣に関する国家戦略の策定などが重要であるとしています。
委員会の議長を務めた近畿大学の工藤正俊教授は、「現状を認識し、各国の政策立案者や学会で肝がん対策に前向きに取り組んでほしい」と話しています。
肝臓がんを予防するためにできることは以下の通りです。
1. 肝炎ウイルスへの感染を予防・治療する
肝臓がんの最大の原因は、B型・C型肝炎ウイルスへの感染です。肝炎ウイルスの検査を受け、感染の有無を確認することが重要です。
B型肝炎ウイルスにはワクチンがあり、現在では乳幼児への定期接種が行われています。C型肝炎ウイルスは、インターフェロンを使わない飲み薬による治療で、ウイルスを排除できるようになっています。
2. 酒を控える
過度の飲酒は肝臓に負担を与え、アルコール性肝炎や肝硬変を引き起こし、肝臓がんのリスクを高めます。飲酒習慣がある方は適量を守るか、禁酒を心がけましょう。
3. 糖尿病から肝臓がんへ
メタボや糖尿病は、脂肪肝からNASH、そして肝臓がんへと進行するリスクを高めます。バランスの取れた食事と適度な運動を心がけ、適正体重を維持しましょう。
4. 禁煙もしくはたばこをひかえる
喫煙は肝臓がんや肺がんなどを含む多くのがんリスクを上がると言われています。
5. 定期的な健康診断
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれてまして、がんが進行するまで自覚症状が出にくいです。気が付いたときはステージ4だったりします。
肝炎ウイルス感染者や、飲酒習慣のある方、肥満や糖尿病の方は、定期的に健康診断や肝機能検査を受け、早期発見・早期治療につなげることが非常に重要です







