DePIN(ディピン)分散型物理インフラネットワークとは?

目 次

DePINって、そもそも何?

DePINを一言で言うと「みんなでつくる、みんなのインフラ」のことです。読み方は「DePIN(ディピン)」です。

電気や通信、道路といったインフラは、通常、国や大きな企業が多額のお金をかけてつくりますよね。DePINはこのインフラを、私たちのような個人の力を借りて分散型につくってしまおうという新しい試みです。

例えば、

  • スマホの電波網: 会社が巨大な基地局を建てる代わりに、各家庭に小型のルーターを設置してもらい、そのネットワークをつなぎ合わせる。
  • GPSデータ: 自動車にGPSデバイスを搭載してもらい、走行データを集めて、高精度な地図データを作成する。

といったイメージです。

今なぜDePINが注目されているの?

この仕組みが面白いのは、参加する人たちがただ協力するだけでなく、その参加者に対して「暗号資産(仮想通貨)」というかたちで報酬がもらえる点です。

例えば、家に通信ルーターを設置してネットワークに貢献すれば、その対価としてトークンがもらえます。これにより、

  • インフラが安く、早くつくられる
  • 参加者が報酬を得られる
  • 特定の企業や組織に依存しない、公平なネットワークが生まれる

といったメリットが生まれます。

DePINの具体的な例

現在、DePINのプロジェクトはさまざまな分野で進められています。

  • Helium(ヘリウム): Wi-Fiルーターのような機器を設置することで、IoT機器(モノのインターネット)向けの通信ネットワークを構築するプロジェクトです。世界中の人々が協力して、ネットワークを広げています。
  • Hivemapper(ハイブマッパー): 車に専用のダッシュボードカメラを取り付けて走行することで、地図データを集めていくプロジェクトです。Googleマップのように、特定の企業が作成するのではなく、ユーザーの力で地図をアップデートしていきます。

まとめ

DePINはブロックチェーン技術の力を借りて、これまでは一部の企業や組織が独占していたインフラを、みんなで協力してつくり、共有する仕組みです。

「分散型」「個人の貢献」「暗号資産」で評価することで、新しいインフラのカタチが生まれてきています。まだ発展途上の分野ですが、私たちの生活をより便利で公平なものにする可能性を秘めていると言えるでしょう。

DePIN(分散型物理インフラネットワーク)に関連する代表的な暗号資産(仮想通貨)は、プロジェクトが提供するインフラの種類によって多岐にわたります。

これらの暗号資産は、インフラ提供への貢献に対する報酬として使われるのが主な特徴です。

DePIN関連の主要な暗号資産(一例)

DePINプロジェクトは、「ストレージ(データ保存)」「コンピューティング(計算能力)」「ワイヤレス(無線通信)」「センシング(データ収集)」など、様々なインフラ分野に分類されます。

1. 分散型ストレージ(データ保存)系

銘柄名 ティッカー プロジェクト概要
ファイルコイン FIL 分散型クラウドストレージ。ユーザーの空きストレージを共有し、データ保存を提供します。
アーウィーブ AR 永続的なデータ保存を目的とした分散型ストレージ。一度保存したデータは恒久的に利用可能です。

コメントは受け付けていません。